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Skretting Sustainability Report 2022

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2020年の購買におけるマイルストーン

この3年間は、調達やサプライチェーンを担うチームにとって非常に厳しいものでした。2022年の初め、世界の大半でCOVID-19が終了したことで落ち着きを取り戻すものと考えていましたが、その後ウクライナで戦争が始まりました。

Robert van den Breemer

非常時において

非常時の調達において優先すべきは入手可能性です。それは、お客様に途切れることなく供給し続けられるように、適切な栄養素を適切な場所で入手できるようにすることです。2019年の「通常」のレベルと比較して価格が高い水準で推移しているため、リスクを分散してコストを抑えるために、当社は代替原料とサプライヤーに注目しています。これにより、いくつかの新規原料の競争力がより高まる機会が生まれました。新しいサプライヤーや原料により、当社の品質レベル、持続可能性の要件、野望が満たされ、継続的に改善されるように注意を払っています。

2022年には以下のような改善を行いました。

  • LCA(ライフサイクルアセスメント)プラットフォームを強化し、当社が設定したスコープ 3の科学に基づく目標に取り組むために、専門チームを設立しました。
  • 大豆やアブラヤシと同様、オープンかつ透明性の高い方法で、海産原料調達にとって何が適切であるかについて説明し、購買チームが段階を追って進められるようにする、海産原料調達ポリシーを策定しました。
  • 持続可能な包装に関するハンドブックを作成し、飼料の品質を維持しながら包装材を改善し、包装全体にかかるコストを削減するのに役立てています。

サプライヤーとの連携強化の呼びかけ

スクレッティングの調達チームは、多くのサプライヤーと長期的なパートナーシップを結んでおり、新しい市場や原料の開発に共に取り組み、共同事業を毎年成長させることを目指しています。AquaVision 2022に共に参加することを選んだ多くのサプライヤーの存在が、スクレッティングが信頼できる大切なパートナーであることを実証しています

こうした強固な関係がもたらす影響は、困難な時代にもはっきりと表れています。この3年間でさえ、原料の不足で操業を停止したことは一度もありません。このような関係性は、オープンなコミュニケーションと信頼によって何年もかけて築かれるものです。

私たちが目標を達成するためには、サプライヤーが二酸化炭素の排出を抑制するために大胆なステップを踏み、思い切った措置を講じ、スクレッティングや業界と協力してこれらの課題に取り組むことが必要です。

過去数年間は困難な状況でした。残念ながら、これからの数年間も同じように困難な状況にあるようです。景気後退、気候変動、生物多様性への圧力が迫っており、当社には行動することが求められています。したがって、これは当社と共にこれらの課題に取り組むよう、サプライヤーに行動を呼びかけるものです。当社はサプライヤーに以下の5つについて重点的に取り組むよう求めています。

・自社の事業とバリューチェーンの二酸化炭素排出量を削減する

・科学に基づく目標(Science Based Targets)に登録し、パリ協定の排出目標内に収まるように行動する

・販売する原料に関するより優れた(一次)データを提供する

・一次生産国までのトレーサビリティを改善、向上させる

・ サプライチェーン全体の環境および社会的リスクをさらに特定し、軽減する

私たちが目標を達成するには、サプライヤーが二酸化炭素の排出を抑制するために思い切った措置を講じ、スクレッティングや業界と協力してこれらの課題に取り組むことが必要です。当社のバリューチェーンの中で積極的に取り組んでくださっている方々には拍手を送るとともに、正しい方向に向けて十分な措置を講じてくださった方々には、スクレッティングとのビジネスの拡大をお約束します。

 

新しいサプライヤーサステナビリティ担当マネージャーのご紹介

飼料の総排出量の96%がスコープ3の原料によるものですが、これは当社がコントロールできない要素であるため、その削減にはサプライヤーとの密接な協力が必要です。この協働を促進するために、当社は2022年にJob van Milをサプライヤーサステナビリティ担当マネージャーとして調達チームに迎えました。この機会に、Jobについて、およびサプライヤーエンゲージメントに関する彼の考え方を紹介したいと思います。

私はサプライヤーサステナビリティ担当マネージャーとして、当社の野心的なサステナビリティ目標を確実に達成できるように、調達部門をサポートしています。今後数年間は、サプライチェーンパートナーとの緊密な協力が必要な、デューデリジェンスとスコープ3の削減という2つの重点項目があります。

もはや、署名されたサプライヤー行動規範に頼るだけではデューデリジェンスは不十分であり、より高度なリスク評価と軽減方法を適用する必要があります。私たちは、EcoVadisの展開を通じて、リスクの認識と軽減のプロセスを加速させ、デューデリジェンスを改善するための重要な一歩となるよう努めています。

2022年にかけて、調達部門とサステナビリティ部門が協力してスコープ3プログラムを作成し、その中でスコープ3の排出量を削減するための戦略を概説しています。具体的な戦略の1つであるサプライヤーエンゲージメントについて詳しく説明したいと思います。

サプライヤーエンゲージメントでは、調達部門、サプライヤー、LCA(ライフサイクルアセスメント)専門家の間の連絡役として、原料のフットプリントについてより深く理解することを目的としています。

サプライヤーを排除するのではなく、サプライヤーとの連携を強化することによってのみ、サプライチェーンの持続可能性を真に高めることができるのです。

サプライヤーとの対話の中で、サプライヤーの生産実態を反映した一次データとも呼ばれる、製品固有のフットプリントデータを要求します。標準化された方法で一次データを収集することで、原料のフットプリントを削減できる可能性がある領域を特定することができます。

しかし、一次データの収集は、サプライヤーのエンゲージメント強化に向けた取り組みの一部に過ぎません。スクレッティングはニュートレコの一員として、科学に基づく目標を設定し、スコープ3に最も影響を及ぼしているサプライヤーにも同じことを要求します。こうすることで、サプライチェーンにおける排出削減目標を、私たち自身やお客様の目標に合わせることができます。

サプライヤーや関連するステークホルダー、お客様のサステナビリティ部門と強いつながりを築くことは、スコープ3プログラムとデューデリジェンスの両面で成功するための重要な要素になります。単にデータ収集のためだけでなく、サプライチェーンで発生する持続可能性の問題について、積極的なコミュニケーションを促すためです。

サプライヤーを排除するのではなく、サプライヤーとの連携を強化することによってのみ、サプライチェーンの持続可能性を真に高めることができるのです。

原料の使用における柔軟性 - 進歩と課題

2021年版サステナビリティリポートの発行後、COVID-19のパンデミックの影響が和らぎ、原料の状況が緩和されることを期待していましたが、残念ながらそうはなりませんでした。パンデミックによってもたらされた課題は、現在進行中のウクライナ戦争に関連する課題に置き代わりました。ウクライナとロシアは、合算して2021年の世界の小麦輸出の25%を占めると概算されています。また、両国はヒマワリ、トウモロコシ、リン酸塩の主要生産者でもあります。さらに、ペルーの現在の漁期は海産原料市場に影響を与えており、2023年に発生すると予測されているエルニーニョにより状況が悪化すると見込んでいます。

原料が不足する状況下では、各原料の価値や魚やエビの栄養要件に対するスクレッティングの深い理解に加え、サプライヤーとの関係が重要になります。昨年から、スクレッティングは新たに9種類のタンパク質とデンプン原料の導入に成功し、さらに研究開発によって評価中のものがあります。また、オメガ3系オイルの代替油の使用も2021年から2022年にかけて大幅に増加し、魚油の入手と価格の継続的な課題の影響を軽減しています。さらに、酵素を使用して原料から栄養価を可能な限り引き出すとともに、環境への排出量を削減するなどの革新的なソリューションを通じて、長期的な供給の安定に重点的に取り組んでいます。

これからは、原料価格が主要な懸念事項の1つとなるでしょう

しかし、水産養殖用飼料の生産には、栄養面だけでなく、品質面からニーズを把握することが重要です。飼料は長距離輸送されることが多いため、ペレットの品質を維持することが重要です。伝統的に、小麦は飼料の物理的品質を支える主要なデンプン源として使用されてきましたが、さまざまな分野にまたがる知識を応用することで、一部の地域で品質に影響を与えることなく、小麦需要に相当する部分を代替デンプン源に置き換えることに成功しました。

これから、原料価格が主な懸念事項の1つとなるでしょう。原料の価格は互いに影響し合うため、柔軟性を高めることはできても、それが飼料価格全体の低下として反映されるとは限りません。しかし、このように常に注意を払うことで、供給の安定性を確保し、個々の原料の価格変動に対するリスクを軽減することができます。

Next:様々な市場の調達状況を理解する

私たちのチームやサプライヤーからの反応

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