Skretting Sustainability Report 2022

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透明性と信頼

透明なサプライチェーンは、養殖業のサステナブルな発展のために、より責任ある実践と協調努力を促すことができます。また、消費者が水産物を信頼するために必要な情報にアクセスすることも可能になります。

水産物に対する消費者の需要を満たすために養殖業が果たす役割が拡大するにつれ、製品の品質と安全性が、食の安全を担う国内外の組織の監視下に置かれ、消費者が食の品質と安全性に関するより多くの情報を求めるようになるのは当然のことです。当社は、透明性と信頼を活動の柱としています。以降のページで詳細を確認してください。

透明性と信頼を築くために重要な要素となるトレーサビリティ

生産現場から消費者に届くまで、製品の原産地を特定できるのは、トレーサビリティシステムによるものです。例えば、製品が変形したり加工されたりした場合の変更もこのシステムに含まれます。飼料産業におけるトレーサビリティは、食の安全性、サステナビリティ、倫理、商業的責任に直結しています。統合された適切なトレーサビリティシステムは、生産チェーン全体を通してリスクを効果的に評価するために必須です。

トレーサビリティは上下の両方で確保する必要があります。つまり、生産地から最終製品まで、またその逆も追跡できる必要があるということです。法律により、企業はバリューチェーンの一歩後ろと一歩前を追跡できる必要があります。

スクレッティングは、当社施設向けの飼料原料を製造、加工、包装または保管するサプライヤーに対し、飼料サプライチェーンにおける特定の食品流通の要所(CTEs)で特定の情報(重要な情報要素、Key Data ElementまたはKDEs)を維持し、共有することを要求しています。このフレームワークは、効果的かつ効率的なトレースの基盤を形成し、スクレッティングがそのようなトレースを行うために必要な情報を明確に伝えるものです。

このシステムのキーナンバーには、各原料の各引き渡しのロット番号と、完成品のバッチ番号が含まれます。これらの番号から、特定の原料の納入から、その原料がどの製品の製造に使われたか、どのバッチが顧客に納入されたか、あるいはその逆をたどることができます。

また、サプライヤー、原料の種類、分析結果、認証などの情報も得ることができます。このような情報は、当社のシステム上で、電子的に入手できる場合もあれば、手動で入手できる場合もあります。

スクレッティングのトレーサビリティが提供する最も重要な情報には、以下のようなものがあります。

  • サプライヤーのデータ(名前、住所、国)。飼料原料の製造者がサプライヤーと異なる場合、この情報をどれだけ容易に入手できるかが重要である
  • 一次生産(農産物)の原産国を含む、飼料原料の原産地に関連する情報(入手可能な場合)。この情報の登録は、主な飼料原料のリスクをどのように評価するかによる

    特に海産原料については、以下の情報も得られます。

    • 製造者の情報(名称、所在地、有効性、認証スキーム)
    • 原産国(バッチが加工された国)
    • バッチを構成する種(英語での一般名とラテン名を含む)。混獲の完全なリストが申告されている場合、合計でバッチの5%未満の種は "その他 "として記録することができる。
    • MSC(海洋管理協議会)、MSC漁業改善プロジェクト(包括的)、MarinTrust(マリントラスト)、MarinTrust漁業改善プロジェクト、認証無しなどの認証状況。
    • 製品の種類(ホールまたは副産物)
    • FAO漁獲統計海区

    サプライヤーから要求された情報は、スクレッティングのERP(企業資源計画)システムに保存されます。このデータは通常、納品されるバッチに対応するドキュメントを介して転送されます。現在のところ、サプライヤーから当社へのトレーサビリティデータの転送は電子的には行われていませんが、これは近いうちに優先的に取り組みたいと考えています。

    データを検証する方法はいくつかあります。サプライヤーの監査の場合、トレーサビリティデータの検証は監査の重要な部分です。。また、検証は、外部の研究所による分析によっても検証でき、認証スキームや独立した調査員よっても検証できます。どのような方法で検証するかは、部分的にその情報がどの程度重要であるかによって決まります。

    トレーサビリティのシステムの価値は、それが品質マネジメントの管理システムとどのように統合されるかにかかっています。

    サプライチェーンにおける企業の社会的責任評価

    2022年、スクレッティングはEcoVadis(エコバディス)のIQ and Ratingsプログラムを実施しました。このプログラムは、サプライヤーのサステナビリティに関わるリスクを理解して軽減し、バリューチェーン全体を通して環境問題・社会問題を継続的に改善するのに役立ちます。EcoVadisは、カテゴリー・マネジメント、ソーシング、サプライヤー・リスク評価、サプライヤー・パフォーマンスなど、当社の調達プロセスにサステナビリティを組み込むためのツールのひとつです。

    EcoVadis IQソフトウェアにより、次の4種類のサプライヤーのリスクを評価できます。

    • 環境リスク
    • 労働・人権リスク
    • 倫理リスク
    • サステナブルな調達リスク

    これらのトピックのそれぞれのリスクレベルは、サプライヤーの地理的位置と、サプライヤーが事業を展開している業界に基づいています。これら4つのリスクとサプライヤーの相対的な支出レベルを組み合わせることで、リスクの高いサプライヤーに対して優先してさらなるアクションを起こすことができます。スクレッティングの2022年の支出額の66%に相当するサプライヤーに対して評価が行われ、33の高リスクサプライヤーが浮き彫りになりました。

    2023年には、EcoVadisによる評価プラットフォームを通じて、これらのサプライヤーのリスクをさらに評価する予定です。EcoVadisによる評価では、サプライヤーにはサステナビリティに関わる質問票を返送し、その回答を証明する書類を提出することが求められます。提供された情報はEcoVadisによって評価され、それに応じてサプライヤーにスコアが付けられます。これにより、サプライヤーのサステナビリティポリシーの安定性を標準化された方法で分析することができます。また、この評価によって、各サプライヤーがどの分野をカバーし、どの分野で改善が必要かが明らかになります。

    2022年には、ニュートレコのサプライヤーのうち183社が、EcoVadisによる評価を受けました。その中の多くはスクレッティングの事業とも関わりがあります。2023年にかけて、この数を増やすことを目指しています。

    スクレッティング ノルウェーのハイリスクなサプライヤーのうち2社が最近EcoVadisによる格付け評価を実施し受け、どちらもEcoVadisの平均スコアを上回り、1社は同プラットフォーム上で上位1%のベスト・スコアの企業に入ったことは喜ばしいことです。

    Next: スクレッティングについて

    スクレッティングは水産養殖業界に革新的でサステナブルな栄養ソリューションを提供するグローバルリーダーです。スクレッティングは17カ国に生産施設を有し、3,798人の従業員が60種以上の魚種の孵化から出荷までの全ライフサイクルで高品質の飼料を製造・供給しています。2022年にスクレッティングが製造した養魚飼料は300万トンにのぼります。

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