
2050年までに世界人口が100億人近くに達すると予想されています。そのため、1つ目のチャレンジは、すべての人の食料安全保障と栄養を確保することであり、これは現在よりも60%多く食糧を生産する必要があります。
2つ目に、環境のサステナビリティを確保しながら実現することです。特に、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の21-37%を食糧システムが占めていることを考えると、食糧システムの活動が周囲の自然環境に与える影響が中立またはプラスであることを確認する必要があります。
3つ目は、生産者に生計の手段を提供し、地域の開発を促進することです。フードシステムがサステナブルであるとは、性別、年齢、人種などにおいて脆弱と考えられるグループに配慮がなされ、経済的付加価値の配分に公平性がある場合においてです。基本的に重要なのは、フードシステムの活動が、栄養や健康、伝統、労働条件、動物福祉など、関連する社会文化的成果の向上に貢献する必要があるということです。
2050年までに、現在より60%も多く食糧を生産する必要があります。

私たちのアプローチ
今日、水産業界で最もホットな話題のひとつは、環境への影響に関するものです。飼料は養殖産業における炭素排出量の80%を占めると言われており、飼料が重要な役割を果たす分野です。現在、その意味合いで上げられるのは、様々な関係者が特定の飼料や原料のサステナビリティをカーボンフットプリントで評価し、それによって「炭素のトンネルビジョン」の罠に陥っていることです。しかし、サステナビリティは多次元的であり、原料がもたらすさまざまなトレードオフや、カーボンフットプリント以外の環境および社会的影響にも目を向ける必要があります。
本リポートの読者の皆様に、私たちがどのようにこれらの影響にアプローチしているかをよりよく理解していただくために、魚/エビ用飼料の主要なライフサイクルステージを説明し、私たちの主なチャレンジ、飼料の例とともに詳しく解説しています。
私たちは、この報告書を読み、私たちと協力して、私たちの改善に協力し、さらにサステナブルな養殖産業への旅を推進するという私たちのビジョンに参加することを強く望みます。

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シーフードの役割
地球規模でみると、ブルーフード(海洋と淡水から得られる多様な水生種と食品)は、人類の栄養不良を解決するとともに、健全でサステナブルかつ強固な食糧システムを構築する上で中心的な役割を担います。何十億もの人々に食糧と栄養の安全保障を提供し、多くの沿岸国にとって生活、経済、文化の重要な供給者であるだけでなく、多くのブルーフードは畜産食品よりも環境的に持続可能な方法で生産されています。